「ジャップが恐ろしい伝染病を運んでくる」と題したサンフランシスコクロニクルの記事(1945年4月2日号) カリフォルニア州、サンフランシスコ Courtesy of the San Francisco Chronicle
黄禍

20世紀始めの日本人移民への反感をこめた「黄禍」という人種差別語は、第二次世界大戦中の日本人の血を引く人達の拘留に際して、一役買うことになりました。カリフォルニア州をはじめとするアメリカ西海岸の州では、期を利用しようとする政治家、報道関係者、労働組合などが日本人の団体がアメリカ合衆国をのっとり、征服して、白人種を陥れ、その純血を汚すと世間に警告したのです。このような中傷は、その以前は中国人労働者に向けられていました。危険で邪悪だとというのが、アジア人に対する典型的なイメージだったのです。白人種より劣るものとされながらも、同時に「東洋」の不可思議な力で、恐ろしい計画をたてているとも考えられていました。新聞は、一世の労働者は、白人より過酷な生活条件でも生き延びられると書きたて、一世の女性の出産率を誇張して報道しました。20世紀初頭の日本による軍事拡張は、この「黄禍」の警告に拍車をかけ、アメリカ大陸に侵略して来るのは、時間の問題だと言われるまでに至ったのです。アメリカに住む日本人を長年心憎く思っていた人達にとっては、真珠湾攻撃は、敵国人に対してのみでなく、敵人種に対する戦争に合衆国をかりたてるものだったのです。

 

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「ジャップが恐ろしい伝染病を運んでくる」と題したサンフランシスコクロニクルの記事(1905年4月2日号)
カリフォルニア州、サンフランシスコ
Courtesy of the San Francisco Chronicle

当時を語るインタビューから


白人種が白人の国家で繁栄を続ける限り、黄禍による危機はないと言ってよい。アーリア人種の生活は、高い文明を持った人々によってではなく、周辺の野蛮人の部族によって継承されてきた。これは我々の弱点である。現在我々は、人種的自殺に直面し、その危機は刻々と迫ってきている。黄色人種の繁殖力の強さはもちろんだが、そればかりではない。黄色人種は食料の選択と調理に長け、ごくわずかな資源で最大限の栄養を確保することができるのだ。

「アメリカにおける人種的自殺」
サンフランシスコ クロニクル、1905年5月10日発行